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半減期を祝って 津島祐子 [読書記録]

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群像 2016年 03 月号

新聞の書評を読んで気になったので、めったに買わない雑誌を買ってみた。
作中に登場する「ASD」が、自閉症スペクトラムに掛けているようだという、書評の一文が興味を引いたので、読んでみようと思った。

この雑誌のテーマは、「30年後の世界 作家の想像力」
東日本大震災から35年、戦後101年の〈30年後〉を、作家はどう描くのか。
重要なのは予想ではなく、想像すること。それが文学の持つ力なのではないでしょうか。
と、もくじには書かれていて、12人の作家のアンソロジーが並んでいる。

その巻頭を飾っているのが、津島さんの「半減期を祝って」というもの。

うーん、なんで、これが巻頭なのかがわからない。
他の11人のうちには、もっと面白い作品があるのに。

SFというには、知識の誤りが多すぎる。
セシウム137が30年経って半減期になったから、当初の半分の量になって、もう怖がることはありません、って、セシウム137が、半分であろうと、そこに存在するなら、放射線は出し続けているはず。
そこに有るなら、だけど。
一所懸命に除染したからね、汚染物を包んであるゴミの山は、まだ片付けられないで、積み上げられているけど、住宅付近はだいぶ減っていると思うよ。

「事故現場に一番近い村」って、一応、原発の周囲は、「町」なんだけど。
ちょっと離れた内陸部には、村もあるけどね。
研究者や観光客が訪れるっていうなら、そんな離れたところにある村じゃないはずだよね。

それから、原発にミサイルを落としても、核爆発はしないから。
原理が違うし。

「ASD」についての記述は、はっきり言って、不快。
書評を書いた人が、これを自閉症スペクトラムに準えていると読んだとしたら、あまりにも偏見がありすぎる。

純粋なヤマト人種だけが入団を許されていて、アイヌ人、オキナワ人、チョウセン系人種と、トウホク人は入団を許されていないくて、トウホク人は一番評価が低くて、二ホン社会に実害を及ぼしているって、なにそれ。

この作者は、よほど政府や国家を信用していないのだろうが、その国家が推進している少年少女の団体を「ASD(愛国少年団)」と名付けるとは、そして、まるでヒトラー・ユーゲントみたいな役割に書くとは、何を考えているのやら。

想像力というよりも、ただただ暗いだけの妄想。
この人の30年後には、明るい未来はないのかもしれないけど、それにしても、気分の悪い誤解が多すぎる。
いったい、誰に向けて、何が言いたいのか。

そういえば、この人の書いたものを、初めて読んだわけだ。
太宰治のお嬢さんだということは知ってたが、作品を読んだことは、ついぞなかったので、よい機会になった。
まあ、たぶん、今後は読まないと思うが。

他のアンソロジーで、なかなか面白いものが数点あったので、その作者の作品は、見つけたら読んでみようと思っている。
新しい書き手との出会いがあるから、こういう雑誌をたまに買うのもいいね。
文藝春秋よりはボリュームが少ないから、あまり負担に感じないしね。



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