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本当の意味で鍛えられる研究会:発達科学研究交流会レポートその2 [研究会]

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3月初めに参加した、他大学との研究交流会の参加記録(その2)

児童養護施設における発達困難を有する子どもの支援ニーズ
  -子どもの語りを通じて-

暴言・暴力・触法・ひきこもりなどの不適応行動の背景に何があるのか、養護施設内で観察を行い、子どもの語り、つぶやきを記録して、コード化・カテゴリー化した。
丁寧に言葉を拾っていて、時間と手間がかかっているが、集めてカテゴライズしただけで終わってしまっているのが残念。
子ども達の支援ニーズがわかってきたのであれば、それに対する支援の方法などの提案が欲しかった。


◆少年院における発達上の課題を有する少年の困難・ニーズの実態と発達支援のあり方
  -少年のインタビュー調査から-

少年院に在院する男子少年26名に対する半構造化面接と該当少年担当の法務教官へのインタビュー調査をし、発達上の課題を持つ少年の現状と矯正教育の効果・影響などを探った。
入所前の生活では、自身の障害理解、周囲の不適切な対応(家族からの虐待、学校でのいじめ・無視)などから大人への不信感や不満を募らせ、強い不安感から防衛的反応で触法などの問題行動を起こしてしまっていたが、施設内では、教官が理解し、受け止めてくれることで安心・信頼を回復し、成長・発達が見られるようになる。ASD傾向の少年の場合は、規則正しい施設内の生活が、精神的な安定をもたらしているが、出院後は規則や枠組みがなくなることへの不安もある。


◆大学における発達障害学生支援と学生支援コーディネーターの役割
  -全国大学訪問調査を通して-

発達障害学生が増加し、法的な整備がされつつあるが、実態が進んでいるのかどうか、国公立大13校、私立大11校を対象に聞き取り調査をした。
支援室が設置されたり、コーディネーターが配置されている大学はまだ少なく、教職員にも支援者にも発達障害の知識が不足しているため、支援が充分に行われているとはいえない。
私立大学の方が学生に対する気配り・目配りは手厚い。
国公立大学は取り組みが始まったばかりで不十分。
教員へのコンサルティングや障害学生支援室、専門スタッフの配置などが、早急に進むことが望まれる。
・なんで私立大学はうまくいってるの?うまくいってる大学で努力していることは?発達障害は、合理的配慮だけでは対応できないでしょ?などの質問。


◆発達障害成年の就労移行期の困難と課題
  -発達障害支援事業所に就労した当事者の発表を通して-

当事者の体験から、対人関係や情報伝達の困難、業務そのものの困難や課題を発表。
当事者の認識と、周囲の人たちの認識のずれが、就労挫折の要因。
周囲の人々にもっとよく理解してもらうことが必要だなあ。


◆発達障害者のストレスマネジメントに関する研究
  -ストレスマネジメント支援による行動・意識の変化過程-

障害者雇用枠で就労している知的障害を伴わない発達障害者、就労移行支援事業所に通っている詩的障害を伴わない発達障害者。就労支援事業所で就労支援を行っている職員らに聞き取り調査紙、ストレスマネジメント支援後の自発的ストレスマネジメント行動について、促進する要因・阻害する要因を検討。
支援後に自分でストレスマネジメントができるかどうかが、就労支援が上手くいくかどうかのカギ。
支援者はかなりの限界を感じている。


◆発達障害児及び発達障害の疑いのある児童の在籍する通常学級担任が学級経営において感じる困難さに関する質的研究

複数の現役教員と元教員にインタビュー調査をして、学級経営の困難さの要因を探った。
担任は、当該児童と他児童との間で、授業中などにどちらを優先させるかなどのジレンマを抱えている。
教員の障害に対する知識の不足、他教員との共通理解、支援に入れる教員の不足等に加え、他児童の保護者への説明ができないことから保護者からのクレームを受けたり、学級担任の業務の多忙さのために充分な対応ができないなどの多くのジレンマを抱えており、組織としての環境整備や支援が求められる。


◆近代日本における災害救済と障害児教育保護成立の歴史的位相
  -濃尾震災を中心に-

明治24年に岐阜県・愛知県を中心に発生した巨大内陸型地震が発生した後の、児童保護救済事業、障害児教育保護システムの成立などについての歴史的研究。
近代化が急速に進められていた日本で、大きな被害があって、孤児が沢山できたり、障害のある人たちが困窮したりしたときに、誰が主導になって救済したかというと、国家ではなくて民間の人だったり、宗教団体だったり、熱い思いを持っている人たちなんだよね。
今の時代は、こういう人たちが動いても、周囲の人たちの賛同を得られるかというと、逆にいろいろと難しい気もする。
・震災後に見られる子どもの「暴言」は、特有の心理的問題って、どこが特有なの?キリスト教や仏教の布教が目的なんじゃないの?など質問あり。


◆エストニアの子ども病院における「うつ・自傷・拒食・薬物依存・愛着障害・発達障害」等の不適応・発達困難を有する子どもの発達支援
  -タリン子ども病院「子どもの心の健康センター」の訪問調査から-

エストニア(人口約131万人、1991年独立・国連に加入)・タリン市にあるセンターの見学記。
1年間に300人以上が受診、現在11人が入院中。
失業率が高かったり、貧困格差があったり、いろいろと大変な国だが、ヨーロッパの先行研究や事例から学んで、子どもや若者の精神医学的困難を、医療面と教育面の双方から支援しようと取り組んでいる様子。
・なんでエストニア?取り上げる意義は?日本では医療と教育は仲が悪いけど、エストニアはうまく行ってるの?などの質問。

****

2日間で25人が発表し、参加者も多数。しかも、遠慮のない質問をどんどんしてくる。
こういう研究会に参加している大学生は、鍛えられるなあ。ほんと。

でも、1日目の夕食時の懇親会と2次会では、楽しく盛り上がっていた。
他の大学で研究している内容もわかるし、知り合いもできるし、来年度も参加できるといいなあ。
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