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久々に「宮部みゆき」を読んだ。これはまさに、カウンセリングのお話だね。 [読書記録]

職場の売店をうろうろしていて、久しぶりに宮部みゆきを読んでみようかと、「泣き童子」という本を買ってきてみたんだが、読み始めてみたら、あれ?これはシリーズものなのかな?
調べてみたら、前作が2つあって、どうやら続いている話みたい。
であれば、最初から読んでみないとつまらない。
まあ、宮部さんのお話は、途中から読んでもわかりやすいように、注釈やあらすじ的な記述があるので、そこから読んでもよかったんだけどね。

結局、Amazonで検索して、前作2冊を購入、届くまでは「泣き童子」はお預けにすることに。

で、最初から読み始まったんだけど、やはり面白い。
最初は病院などの待合の時間だけ読もうと思っていたんだけど、読み始めたら止まらなくなってしまって、結局3冊全部、続けて読んでしまった。

主人公は、悲惨な経験のために、実家を離れて叔父の家に身を寄せている17歳の「おちか」。
お嬢様然と暮らしてもいいのに、悲しい記憶を忘れようと、女中奉公をしてわざと毎日を忙しくしている。
あることをきっかけに、自分と同じように悲しい出来事を持っている人の話を聞くことで、自分の心が少しずつほどけていくことを知り、叔父の勧めで「不思議体験」を持つ人の話を聴くという仕事をするようになる。

不思議な話をしてくれる人を集める触れ込みは、「変り百物語」ということで、通常なら一晩に百の話を聴くところだが、1回に1人ずつ話を聴いて、百人募るというもの。

持ち込まれる話はどれも辛い出来事で、そこに宮部みゆき独特の妖の世界が関わっているわけだが、おちかは、その話を聴いて自分自身の身に降りかかった出来事を照らしながら、苦悩しながらも、一つひとつ解決への道を進むというもの。

それぞれの話の不思議さも魅力的だが、文章のあちこちにちりばめられた江戸の風俗の描写も面白い。

と、読み進めてきて、あー、これはカウンセリングの話だなあと思い当たった。
百物語で話されることは、語りっぱなし、聞きっぱなしで、部屋から出たらその話題には触れず、他人にも語らないという約束事になっている。
それでも、話に来た人は、話を聴いてもらった後、心を軽くして部屋を去ることができる。
長い間自分だけの心に閉じ込めてきたことを、誰かに聴いてもらうことで、荷を下ろすことができるのだ。
生きる希望を得る人もいれば、語り終えて安らかな気持ちになって、あの世の世界に旅立つ人もいる。

おちかは何も自分の考えを挟むこともなく、ただ聴くだけであり、その姿勢はところどころにカウンセリングの心構えのようなものを感じる。
そして、おちか自身の心も徐々に解き放たれ、成長していく様子が描かれている。

3作目でようやく18話なので、あと87話を聴かないと百物語にはならない。
このシリーズはまだまだ続きそうで、次の話が楽しみである。



おそろし 三島屋変調百物語事始 (角川文庫)

おそろし 三島屋変調百物語事始 (角川文庫)

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2012/04/25
  • メディア: ペーパーバック





あんじゅう 三島屋変調百物語事続 (角川文庫)

あんじゅう 三島屋変調百物語事続 (角川文庫)

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2013/06/21
  • メディア: 文庫





泣き童子 三島屋変調百物語参之続 (角川文庫)

泣き童子 三島屋変調百物語参之続 (角川文庫)

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2016/06/18
  • メディア: 文庫



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